
カウンセリング入門 3
3. カウンセリング理論の位置づけ
カウンセリングに必要な「カウンセリング心理学」の理論は、数多くありますが、ここでは、その役割を述べるにとどめ、詳細は各個人の必要性・関心度に基づいて、学習してもらうことにします。
カウンセリングにおいて、なぜ理論が必要なのか、その役割・機能を4項目にまとめて述べます。
(1)理論を知ることによって、ある状況・事象の結果を予測できる。
理論はいくつかの同じ様な現象・出来事を事実(データ)として捉え、そこからある共通の意味・概念を抽出し、 それを整理(体系化)したものです。
それによってものごとの因果関係(原因と結果の関係)を知ることができます。
(2)ある事実を説明・解釈する手がかりになる。
カウンセラーがクライアントと面談中においても、クライアントの態度・言動を観察して、クライアントの心の中を推測(予測)できることで、 カウンセラー自身は安心し、自信を持って、次の行動・対応を取ることができます。
(3)ある現象を整理することが出来る。
社会において、自分と他人の人間関係は相手によってそれぞれ異なります。個々に、二者間の親密度・信頼度は異なり、その内容も多様ですが、 理論を知ることでその分類・区分が可能になります。
(4)今、此処に起こっている事柄について、その成行きの物語(仮説:このようなことの流れになるであろう)を自分で描くことが出来ます。
仮説が証明できるとそれは事実となります。カウンセラーにとって、断片的な因果関係を予測できること以上に、 “カウンセリングの流れを考えられる”ことは、当人にゆとりが出来、結果としてそのカウンセリングが効果的に進められます。
以上述べてきた事柄を組み立ててカウンセリングを表すと下図のピラミットが出来ます。
